スーパー書評「漱石で、できている」6トーマス・マン『選ばれし人』 文化の複数性、人類の普遍性

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出典: WirelessWire News

マンの作品を取り上げるのであれば、誰もが『魔の山』や彼にノーベル文学賞をもたらしたとされる大作『ブッデンブローク家の人々』、あるいは『トニオ・クレーゲル』などから始めるのが順当だろう。それらの作品に対する敬意や共感は、誰にも劣らないつもりだ。しかし、私の少年時代に、マンの名前に最初に出会った作品である標題作『選ばれし人』は、今も読後の衝撃が自分の中に残っている。その意味で、私にとっては特別な作品なのである。
今更マンについての概略的な記述など必要ないかもしれないが、彼の家系あるいは家族は、今でもドイツ語圏で語り継がれるほどの豊富な内容をもっている。ここで簡単なスケッチをしておこう。
トーマス・マン(Thomas Mann)は一八七五年生まれ、亡命先のアメリカで亡くなったのは一九五五年。裕福な家の出としては珍しく、あるいは、だからこそかもしれないが、ギムナジウム(中等教育機関)中

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